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渋谷でラップで歌舞け! [時には芸術]

 ようやく今年2回目の歌舞伎。毎年楽しみにしているコクーン。入り口で好江夫人とすれ違ってドキドキ。声をかけて良いのでしょうか?中村屋さんのファンですとかって言っても良いのでしょうか?始まる前からテンションが上がった。

 演目は「佐倉義民傳」。
 
 現在の千葉県成田市、江戸時代は佐倉公津村。当時の名主・木内宗吾が藩主の圧政から農民を守るために、将軍へ直訴をした事件を元にした内容。

 年貢2割増しとか、お上の政とか、農民の虐げられ方とか、現代に通じる所が沢山。でも、現代人は一揆を起こそうっていう発想には至らないんだよね。

 立ち上がろうとする農民もいれば、村から出て江戸へ憧れる人もいる。目的は様々。日々生きるのに精一杯だったんだろうな。1年苦労して育てた米も年貢で殆ど持って行かれ、自分たちはヒエや粟しか残らない。

 「白い米 涙のように手にすくい ため息つき おさむらいにおさめ すべて水の泡」

 「ま、しゃーねーか 生きてるだけでいいか ま、しゃーねーか 生きてるだけでいいか」

 印象的だった歌詞。勘三郎演じる宗吾が「命だけは無駄にしないでくれ!」と訴える。生きてさえいれば、と。諦めさえしなければ、と。


 子役の迫真の演技でボロボロに泣けた。あらすじを読んでいたから、展開が分かっているだけに尚更。いや、宗吾の長男役の子が凄いね。

 体が震えたのは今回の音響。随所にラップです。今まで椎名林檎さんとか、ロックとかあったけど、ついにラップが来た!良いね!格好良い!これぞ歌舞いた!って感じで。きっと賛否両論なんだろうけど、きっと後々歌舞伎の1つになっていくに違いない。オールキャストのラップに鳥肌が立ったもの。

 コクーンは毎回新しい事を入れ込んでくる。内容は結構世相を反映している。否、江戸も現代も大して変わっていないんだ。政治、税制に対する国民の不満や犠牲。選挙があるのは大きな進歩だとは思うが、投票率がなぁ・・・・・・。久しぶりに感動して泣いて、鳥肌立って、現実の厳しさを再確認出来た。江戸時代の人もこうやって芝居小屋を後にしていたと思うと、不思議だ。
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kuwachan

こんばんは。
今頃こんなところにゴメンナサイね。
私もコクーン歌舞伎、観に行きました。記事書きそびれちゃって(^^ゞ
毎回毎回楽しませてくれますよね。
今回のラップには正直びっくりしました~!
でも、やっている皆さんがとっても楽しそうにしているのが感じられたので
成功ってことかなって・・子供はノリノリでしたね(^_-)-☆
by kuwachan (2010-07-12 20:44) 

氷白蓮

すっかりレスが遅くなってしまって、申し訳ありません。
kuwachanサマも行かれましたか!
本当に毎回新しい試みがあって、目から鱗です。
ラップは賛否両論化と思いますが、自分は斬新さに鳥肌が立ちました。
子供たちの動きが可愛かったですよね。
あれだけのテンポのある歌詞を一緒になって口ずさめることに感心しました。
同時に、羨ましかったですね(笑)。
by 氷白蓮 (2010-07-29 10:14) 

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